第17話 食べることが、苦手だった

増量日記

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胃薬のおかげか、少しずつ、食べる気が戻ってきた。

そこで、朝ごはんを、前の量に戻してみることにした。停滞を抜けるには、やっぱり食べるしかない。そう思っていた。

でも、食べている途中で、無理になった。

胃が、受けつけない。それでも「食べなければ」と口に運んでいたら、出勤前の身支度をしている最中に、吐いてしまった。

食べるだけで吐いてしまう自分が、情けなかった。吐いてしまえば、気持ち悪さ自体はすっきりする。でも、その日の出勤の足取りは、いつも以上に重かった。

その日は、たまたま調子が悪かっただけだと思った。

でも、次の日も、食べている途中で吐いてしまった。

——ああ、自分は、食べることが苦手なんだ。

このとき、改めてそう思った。10年間、朝も昼も、ほとんど食べてこなかった。その体に、急にたくさん詰め込もうとしても、うまくいかない。考えてみれば、当たり前のことなのかもしれない。

以前の自分だったら、たぶん、ここでボディメイクごと諦めていたと思う。「やっぱり自分には向いていない」と理由をつけて、やめていた。

でも、今回は違った。

不思議と、自然にこう考えていた。「食べられないなら、その分、他のもので補えばいいんじゃないか」と。

食べるのは難しくても、飲むのは問題ない。だったら、カロリーの摂れる飲み物——たとえばミルクティーを、仕事中に飲むようにすればいい。気づけば、そんなふうに考えている自分がいた。

3ヶ月続けてきて、自分の気持ちが、少しずつ変わってきていたらしい。この時、それに気づいた。

考えてみれば、悪いことばかりでもなかった。

体重は停滞期で、増えていない。でも、トレーニングのほうは、重量も回数も、確実に上がっている。ダンベルプレスもダンベルフライも、10kgで12回を3セット。腕立ては、11回を4セット。始めた頃を思えば、明らかに筋力がついている。

この3ヶ月で、自分のことが、少しわかってきた。

強みは、記録を続けられること。弱みは、食事——特に、朝と昼。

全部を完璧にこなせたら、それが一番スムーズな道なんだと思う。でも、自分にはそれができない。

先生が前に言っていた「完璧じゃなくていい」の意味が、今になって、少しわかった気がした。

だったら、自分に合ったやり方、自分に合った進め方を、まず見つけること。それが、今の自分には一番大事な気がした。

今後どう進めていくかは、来週の先生とのセッションで、相談しながら決めていこうと思う。

食事については、腸活を続けながら、無理のない範囲で、食べられるときに食べる。足りない分は、飲み物で補う。まずは、それでいい。

この週のデータはこちら。

日付体重(kg)カロリー(kcal)タンパク質(g)脂質(g)炭水化物(g)食物繊維(g)
2/1652.42,202119.546.0331.99.0
2/1752.31,56487.933.5233.06.9
2/1852.81,96097.346.2298.010.9
2/1952.41,953118.030.5309.410.7
2/2052.41,648109.818.6261.46.7
2/2152.51,68589.320.2285.96.3
2/2252.61,782102.631.1275.56.7
週平均52.51,828103.532.3285.08.2

先週末:52.4kg → 今週末:52.6kg(+0.2kg)

食べている途中で吐いてしまうような週で、カロリーもぐっと減った。それでも、体重はほんの少しだけ、増えていた。


食べるのが苦手でも、続けることはできる。

止まったままの体重の前で、それだけは、はっきりとわかった。

3ヶ月前の自分には、たぶん分からなかったことだ。

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