第1話 始まり──同僚の一言が、すべての始まりだった

増量日記

※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれる場合があります。

2025年11月18日

「今度の休み、サーフィン行かない?」

職場の同僚にそう声をかけられたのは、なんでもない平日の昼休みだった。海なんて何十年ぶりだろう。サーフィンはもちろん未経験だ。でも気がついたら「行きます!」と答えていた。


波は、正直だった

当日の海は最高だった。空は青く、潮風が気持ちいい。テンションは上がった──でも、いざボードに乗ろうとした瞬間、身体に力が入らなかった。

立とうとしても、踏ん張る力がない。腕でボードを押しても、身体が言うことを聞かない。波に弾かれる、というより、流されているという感覚に近かった。

体重48.4kg。自分でも薄々わかってはいた。「細いね」と言われるたびに、なんとなく流してきた。でも海の上で、波を前にしたとき、その「なんとなく」がはっきりと形になった。

力がない。身体に、ぜんぜん力がない。


海上がりの雑談が、人生を変えた

サーフィンを終えて砂浜に腰を下ろし、二人でぼんやりと海を眺めながら話した。身体を動かした後の、あのゆるい時間だ。

なんとなく体づくりの話になった。「もうちょっと筋肉ほしいよな」「増やしたいんだけど、何をしたらいいかわからない」——そんな、よくある会話。

すると同僚が、少し照れくさそうに言った。

「実は俺、ボディメイクのコーチング勉強してるんだよね」

予想外の一言だった。

聞けば、本格的にボディメイクコーチの資格取得に向けて勉強中だという。食事管理、トレーニング、習慣化のサポート——体を根本から変えるための知識を、真剣に学んでいると。

「せっかくだし、一緒にやってみる? 練習台になってほしいっていうのもあるんだけど(笑)」

笑いながらの提案だった。でも私は、ほとんど迷わなかった。

「……ぜひ宜しくお願いします」


なんとなく、ではなかった

即答したように見えて、頭の中では色々なことがよぎっていた。

今日みたいに、やりたいことを身体の細さで諦めたくない。波一本、ちゃんと自分の力で乗れるようになりたい。年を重ねるほど「スポーツに適した身体」から遠ざかっていくのは、嫌だ。

そういう気持ちが、ずっとどこかにあったのだと思う。ただ、きっかけがなかっただけで。

海が、そのきっかけをくれた日だった。

その日から、私はこの同僚のことを先生と呼ぶことにした。

タイトルとURLをコピーしました