第22話 面倒だけど、やる

増量日記

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5回目のセッション。今回も、オンラインで行った。

いつもは僕の報告から始まるけれど、この日は先生の話が先だった。

「ここまで約4ヶ月、続けられたことが本当に素晴らしいです」

4ヶ月。言われてみて、そんなに経ったのかと思った。

そして、先生はこう続けた。

「最初に結論から言いますね。ボディメイクとしては、今までやってきたことを続けていくしかないです」

食事は、増やせるタイミングで、栄養素を考えて増やす。トレーニングは、重量と回数を少しずつ増やしていく。それを続けることで、理想の身体を作っていきましょう——と。

正直に言えば、僕はまだ、理想とは程遠いところにいると思っている。

ただ、その結論には納得できた。特別な何かがあるわけじゃない。習慣にして、続けていくしかない。この4ヶ月で、それはもう、十分わかっていた。

そのあと、先生から質問があった。

「ここまで続けてきて、最初の頃に比べて、どうですか?」

少し考えて、こう答えた。

始めた時は、新しいことを始めること自体が面倒だった。でも、食事もトレーニングも続けてきて、行動することが身についてきたと思う。

もちろん、今でも、やる前に面倒だと思うことはある。

ただ、「面倒だから、やめる」だったのが、「面倒だけど、やる」に変わってきた。

そう話しながら、頭に浮かんでいたのは、ある夜のことだった。

仕事から帰ってきて、もう何もしたくない日。それでもダンベルを持って、1セットだけやって終わりにしたことが、何度かあった。

トレーニングと呼べるような量じゃない。それでも、ゼロにはしなかった。

自分で口に出してみて、そうか、そういうことか、と思った。

先生は、それを素晴らしいことだと褒めてくれた。

そして、ここからの話になった。

「ここからは、マインドの部分を変えていくことを中心に、コーチングをしていきます」

身体作りの目標は、始めた時に作った。次は、自分の人生について考えていく。

どういう人生を歩みたいのか。そのために、何を行っていくのか。そして、この4ヶ月で身につけた行動力で、そこへ進んでいけるようになること。それが、目指すところらしい。

どういう人生を歩みたいか。

そう言われて、すぐには何も出てこなかった。これまで、自分と深く向き合うなんて経験は、ほとんどない。

それでも、しばらく考えているうちに、ひとつだけ言葉が浮かんだ。

自由。

もっと自由な人生を送りたい。たしかに、そう思っている自分がいる。

ただ、その「自由」が何を指しているのかは、自分でもよくわからなかった。

「まずは1週間かけて、自分の価値観や目標と向き合ってみてください」

1週間、自分と向き合う。つまり、宿題だ。

面倒だな、と思った。

でも、思っただけだった。

面倒だけど、やってみよう。さっき自分で言ったばかりのことを、さっそく試されている気がした。

この週のデータはこちら。

日付体重(kg)カロリー(kcal)タンパク質(g)脂質(g)炭水化物(g)食物繊維(g)
3/1653.11,96798.533.6325.510.9
3/1752.71,982103.541.2308.06.9
3/1853.32,635107.888.3353.610.7
3/1953.42,075127.245.5307.111.9
3/2053.72,173101.047.0347.97.2
3/2153.82,186117.152.8321.48.5
3/2253.82,22298.326.5403.012.9
週平均53.42,177107.647.8338.19.9

先週末:53.1kg → 今週末:53.8kg(+0.7kg)

+0.7kg。こんなに動いたのは、お正月の週以来だった。

特別なことは、何ひとつしていない。今までやってきたことを、続けただけだ。

続けるしかない、と言われた週に、いちばん増えた。


そして、この日のセッションは、それで終わらなかった。

マインドの話が一段落したあと、僕はトレーニングについて質問した。

そこから、ずっと保留にしてきたジムの問題が、思わぬ形で動き出すことになる。

(第23話へ続く)

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