第3話 初めてのセッション──「動ける体」という答え

増量日記

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プログラムを始めてから数日後、先生とのオンラインセッションが始まった。

最初に先生が話してくれたのは、ボディメイクコーチという仕事の考え方についてだ。

「身体を作るだけじゃなくて、作った後の自分がどうなっているかをまずイメージする。そこに向かって取り組んでいくのが私のスタンスです」

身体を変えることがゴールではなく、変わった先にある自分の姿がゴール。その言葉が、なんとなく腑に落ちた。

記録をつける、ということ

セッションの中で、先生から「クライアントサポートノート」に記録をつけるよう言われた。食事の内容、体重、日々の状態。それを毎日入力していく。

正直、面倒だと思った。

食事を記録するのも、ノートを続けるのも、これまでの自分には縁のない習慣だった。

でも、ふと思った。これは先生のためでもある。先生が私の状態を把握して、適切なアドバイスをするためには、データが必要だ。自分のためだけじゃなく、先生のためでもある、と思ったら、「やろう」と素直に決めることができた。

「どんな体になりたいですか?」

記録の話が終わると、先生に聞かれた。

「目標にしている体型はありますか?」

少し考えた。私は4月から10月まで草野球をやっている。子どもの頃から野球が好きで、今も続けている。

その文脈で出てきた答えが、これだった。

「マッチョになりたいわけじゃなくて、スポーツができる、動ける体を作りたいんです」

ゴリゴリに筋肉を大きくしたいというより、フィールドで動ける、パフォーマンスを発揮できる体。イメージに近い有名人を挙げるとしたら、野球の坂本勇人選手とNFLのマホームズ選手だ。

坂本勇人という憧れ

子どもの頃からの巨人ファンだった。

巨人の中心選手といえば、長嶋、松井、阿部——どの時代もホームランバッターが看板を背負ってきた。それが巨人という球団の色だと思っていた。

でも坂本選手は違った。ホームランも打てる。でもそれだけじゃない。ヒットで出塁して、守備でチームを救って、どんな場面でも中心にいる。「打つだけじゃない選手」が、チームの顔になっていく姿に、ずっと憧れていた。

一つの能力に特化するのではなく、総合的に機能できる選手。その体型のイメージが、私の目指す「動ける体」と重なった。

マホームズという面白さ

NFLを見始めて、すぐに気づいたことがある。正確なパスを投げるQBはたくさんいる。でもマホームズは違う次元にいた。

動きながら投げる。体勢を崩しながら投げる。誰も予想しない角度からトリッキーなパスを通す。見ていて飽きない、試合を見る楽しさそのものみたいな選手だった。

「あの動きを支えているのは、ああいう体なんだ」と思ったとき、自然とイメージが浮かんだ。

先生からの食事プラン

目標の話で盛り上がった後、先生から具体的な食事の指示をもらった。

「まずはこれを毎日やってみて」

🌅 

  • ご飯 200g
  • ゆで卵 1個
  • 納豆 1パック
  • プロテイン

☀️ 

  • おにぎり 1個
  • プロテイン 20g(コンビニで買えるもので可)

🌙 夕飯

  • これまで通りの食事を続ける

➕ プロテイン・粉飴について

  • プロテインは朝・晩の2回(各1食分30g)
  • 粉飴はトータルのカロリーを見ながら調整

シンプルに見えたが、これまでの自分には革命的な変化だった。もともと朝は何も食べず、昼も抜くことがほとんど。1日1食の夕飯に頼りきりだったのだから。

「食事を変える」というより、「食事を始める」。そんな感覚で、2週目に向かっていった。

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